Sunday 1 October 2006

次男の出産記録 How it happened

AraTakara


10月2日…


7:30 St Peter's Hospital にチェックイン。Antenatal Roomで、まず助産婦が体温、検尿、血圧を測り、赤ちゃんの位置をチェック。2/5しかエンゲージしていなく、後ろ向きにすら下がっていない。自然に任せていたらまだ産まれそうもない。その後、私が最も恐れていた針刺し。麻酔医が来て左手首の側面に点滴用針を刺す。が、なんと失敗!手の甲にもう一度刺しなおす…。(涙)初っ端から運が悪そう…。今回は悌毛される。前回の緊急帝王切開時には剃らなかった。


9:30 Delivery Suiteに移されて手術を待つ間に執刀医を紹介される。イスラム系のスカーフをかぶった女医さん。ある程度年配の医者で安心。Jasonは若い方が手先が器用だって言うけれど、やっぱり経験豊富なほうがいいと私は思う。前回の帝王切開の傷口が少しケロイド状になっているのだが、それも「きれいにするわよ。」


10:00 手術室へ。さっきの麻酔医が脊髄麻酔をするらしいのでちょっと不安。「点滴針を打つほど痛くないよ」と言うのだが、信じられるわけないじゃん。うわー、刺される…と硬直していると、看護婦さんたちが「前回も帝王切開だったから緊張しているのね」と言うのだが、違う、注射針を刺される痛みが怖いのよ。ラジオからちょうどパトリック・スウェイジの「She's Like the Wind」が流れてきて一瞬緊張が解けた時にブスッと刺された。麻酔液を注入している途中で電気ショックをビクッと感じる。それがうまく注射できたサインらしい。エピデュラルを予想していたので、それより針は細いし、一回の注射で済んでほっとした。


その後、手術台に横になり、コールドスプレーで下半身の効き具合をチェックされ、あっという間に手術が始まった。帝王切開は始まってしまえば痛くない。そうそう、恐れていた3つ目の「挿入」である尿管へのカテーテル挿入は麻酔が効いてから行うので痛くなかった。


AraTakara


10:22 Jasonが「そろそろ出てきそう」と言うと、元気な産声。アラタよりかなり太くて大きい泣き声だ。へその緒がまだついた状態で、釣り上げた魚を自慢するかのように赤ちゃんを見せてくれた。第一印象は「アラタより大きい。」


出てきたままの状態でタオルに包んだだけの赤ちゃんを、手術着姿のJasonがしばらく抱く。医者達はまだ開いたお腹を閉じている最中。1人の看護婦が手術台上の私の胸の上に赤ちゃんを置いてくれた。妊娠初期から風邪を引き続け、抗生物質を飲みまくり、花粉症にも初めてなった。そして、スクリーニングの結果が思わしくなく、羊水検査もした。アラタの時に比べて妊娠自体の問題は皆無に等しかったのにそれ以外の問題が多かったから、無事に産まれて本当に嬉しかった。思わず涙が…。アラタの時は疲れきって感動する体力もなかったなあ。


赤ちゃんの体を拭いて、体重を量って(3650g)、Skin to Skin contact。私の右腕の下にオムツ一丁の赤ちゃんが置かれる。Delivery Suiteに戻ってもしばらくこのままだった。


11:00 Delivery Suite に戻る。午後になり、赤ちゃんの体温がちょっと低かったので、帽子や手袋を慌てて購入。ブランケットで何十かに包む。母、アラタ、そして夕子さんが会いに来てくれた。


22:00 (頃?) 赤ちゃんの体温が十分上がったところでPostnatal Roomへ移動。ここで3泊する。飲み放題の紅茶、コーヒー有り。プリペイドカードで使えるインターネットやテレビが各ベッドについていてなかなか快適。


その後、Dischargeまでの私とタカラは…。


[タカラ]2日目にBCGを接種。女性ホルモンによる湿疹がひどかった。2日間はおっぱいがあまり出ていなくて、フォーミュラを数回飲ませたが、吸わせていたおかげで、3日目にはおっぱいがパンパンに張ってしまった。3日目の真夜中、夜勤の助産婦が、授乳室で授乳指導。と、いうか、胸が張り過ぎて、赤ちゃんがとても吸い付けなかったので、助産婦さんがものすごい力で手で搾乳。それをスプーンに取って、そこから少し飲ませた。張ったおっぱいを思い切り揉まれるのは想像を絶する痛さ…。帝王切開後はおっぱいがすぐに出ないことがあるようなので早くから出てくれてよかった。


[私]Delivery Suiteにいる間に、看護婦さん2人で体を拭いてくれて、少しリフレッシュ。2日目の朝にカテーテルを抜いたので歩けるようになる。夕方には傷口上の絆創膏をはがされてシャワーを浴びた。確かに前回と同じところを切られていて、前回の術後から残っていたケロイド上の盛り上がった部分がきれいになくなっていた。前回は抜糸の必要がない糸で縫合してあったが、今回は両脇にビーズが付いた糸。3日目の朝に点滴用針を抜いてもらって完全に自由になる。


痛み止め。2日目にダイアモルフィン。これは麻薬(ヘロイン!)だから効く。(日本はダイアモルフィン程強い薬を出してくれないって聞いたけど、もし本当なら耐えられないかも。)それ以外はパラセテモともう一種類の痛み止めを定期的に飲む。全て前回と同じだ。術後の痛みは緊急帝王切開の時に比べて強い気がしたが、相対的な問題だろう。陣痛を経験した後手術した前回は、産む痛みに比べたら、術後の痛みなんて!と感じたのかな。今回は出産時に注射針の痛み以外はなかったもの。抜糸は退院した翌日(丸4日後)に家庭訪問に来た助産婦が。これは思ったほど痛くなかった。


AraTakara


「感想」


出産前に風邪を引いていたので心配していたが、いつの間にか治っていた。脊髄注射を除いて、陣痛もないし痛くないから帝王切開は我慢弱い私にはやっぱり楽かな。苦労して産まれてきたアラタは、帝王切開で取り出した後も産声を上げるまで少し時間がかかったし、泣き声も弱かった。そして、かなりふやけていて、体内にいる時に頭に刺された心拍数測定用針のため、頭に少し血のりが着いていた。それを思うと、タカラはストレスもなく産まれてきた。


前回が帝王切開だったために、私は自然分娩をするか、計画帝王切開をするかの選択があった。基本的には帝王切開派の私だが、普通、計画帝王切開を選ぶと、FullTermの40週を待たずに手術となるから、悩んだ。アラタは予定日より1週間遅れたし、私の母も二人の子供を予定日から一週間以上遅れて産んだ。だから、あまりにも実際に産まれるつもりの日より早く出したくなかったから。なるべく大きく産むに越したことはない。二児の母なんて大変なことになるのは一日でも遅らせたいという理由ももちろん冗談ではなかったけれども。


だから、バースプランとしては、帝王切開後の自然分娩(VBAC)を試み、もし予定日を過ぎたら帝王切開をするということにした。自然に産むことにしても、1週間は遅れるだろうと確信に近い予感があったので、医者が予定日の2日後の手術を提案して来た時、「母が応援に到着してからにしたい」と小さい嘘(母は既に来ていた)をついて、予定日の一週間後の手術の予約にしてもらったのだ。予定日当日の検診でも卵膜剥離の予定を断った。卵膜剥離は痛いし、こうなったら痛い陣痛は避けて、できれば帝王切開に持って行きたかったからね。


作戦は当たった。帝王切開経験のある妊婦が次の妊娠を計画帝王切開にする一番の理由は、FullTermに近付き、お腹が大きくなることで前回の傷口から子宮破裂のリスクがあること。幸いなことに41週になって危険なことも起きず、赤ちゃんは帝王切開でストレスなく、そして比較的大きく産まれることができた。`

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